【浜松】サントーニ(Santoni)革靴のヒール積み直し・つま先補修|全体染め直しで色気復活

こんにちは!
浜松市で革靴や革製品の修理を行っております、靴工房Ellgonの園田です。
(浜松、磐田、袋井の修理はお任せください)
(県外でもご相談ください)
今回は、イタリアの高級靴ブランド「サントーニ(Santoni)」のストレートチップ修理事例をご紹介します。
サントーニといえば、見る人を魅了する美しいシルエットと、職人が手作業で色を重ねる芸術的な色彩が魅力ですよね。 今回お預かりした一足も、一目で「良い靴」だと分かるオーラがありました。
長年大切に履き込まれ、革の表情(エイジング)は最高に育っているのですが… やはり長く愛用していると、「ヒールの激しい減り」や「つま先の色ハゲ」は避けられません。
「ここまで履き込んだけど、まだまだ現役で輝かせたい!」
そんなオーナー様の想いに応えるべく、フルコースで再生させていただきました💪
サントーニの革靴【修理前】
全体的にとても綺麗に履かれていますが、一番負荷のかかる「つま先」には深いスレや色落ちが見られました。 また、ヒール(カカト)部分はゴムだけでなく、その上の革の土台(積み上げ)まで大きく削れてしまっており、バランスが崩れている状態でした。
この「くたっとした感じ」も味ではありますが、ドレスシューズとしてはもう少し「シャキッ」とさせたいところです。




サントーニの革靴【修理後】
園田の手にかかれば、こうなります!
削れてしまっていたヒールは、土台から作り直す「ヒールの積み直し」を行い、新品時と同じ高さとバランスを取り戻しました。 つま先の欠けた部分も、革を継ぎ足して丁寧に補填しています。
そして仕上げに、靴全体を「染め直し(リカラー)」! くすんでしまった革に再び染料を入れ込み、磨き上げることで、サントーニ特有の奥深いツヤと色気が完全に蘇りました✨
まさに「新品以上のクオリティ」です!



サントーニの革靴【修理ポイント】
- 🛠️ つま先の革補填: 削れて無くなっていたつま先部分に革を足し、形を復元
- 🔩 ヒール積み直し: すり減ったカカトの土台を積み上げ直し、本来の高さを回復
- 🎨 全体染め直し: 色ムラやくすみを染め直し、深みのある輝きをプラス
「もう履けないかも?」と思うほど履き込んだ靴でも、土台から直して色を入れれば、ここまで美しく蘇ります。 特にイタリア靴は、手入れをするほどに応えてくれる素晴らしい革が使われています。
大切なサントーニの修理、ぜひ一度ご相談ください!
知らなくても困らない、園田の靴雑学
Santoni(サントーニ)
・発祥国: イタリア(マルケ州)
・ブランドの発祥年: 1975年
- 「色彩の魔術師」による手塗り(パティーヌ)
Before写真でつま先の色が抜けているのは、革が悪いからではありません。 サントーニは、職人が手作業で何度も色を塗り重ねる「パティーヌ技法」が世界一有名。 顔料(ペンキ)で隠すのではなく、染料で染め上げているため、プロが磨き直せば新品以上の妖艶なグラデーションが復活します。まさに「履くアート」です。 - 最高級ライン「FATTO A MANO」の証
靴底の刻印にご注目ください。イタリア語で「手作り(Handmade)」を意味するこの文字は、サントーニの中でも特に熟練の職人が仕立てた高級ラインの証です。 通常ラインよりもさらに厳選された革を使い、見えない内部まで手作業で縫い上げることで、足に吸い付くような極上のフィット感を生み出します。 - 実は「愛妻家」のブランド?
サントーニのイメージカラーといえば鮮やかな「オレンジ」。 実はこれ、創業者のアンドレア氏が「家に帰って靴を脱いだ時、もし奥さんの機嫌が悪くても、この明るいオレンジを見れば元気が出るだろう?」という理由で採用した…なんていう素敵な実話があるんです(笑)
今回の靴は高級ラインのため、あえてインソールもシックな黒で統一されていますが、見えない所にまで「人生を楽しむユーモア」を込める。それこそが、イタリア靴の王者たる所以(ゆえん)なんですね。

